確率・統計学をゼロから勉強する方法とお勧めの参考書

 今回は、確率・統計学をゼロから勉強する方法についての記事です。私が今まで読んできた確率・統計学の参考書の中で、初学者にお勧めの物を学習効果が高まる順番で紹介していきます。

数理統計学の基礎〜よく分かる予測と確率変数〜

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 題名に数理統計学と入っていますが、入門書として非常に良い参考書だと思います。ある程度カチッとした説明があり、かつ初学者に向けた説明になっているので、初学者でもちゃんと勉強すればかなり理解が深まります。私自身はこの本とマセマ統計学の2冊により、確率変数や様々な確率分布がやっと理解できた、という感じでした。
 難しい証明が省略されているので読み終わるのにそれほど時間がかかりません。ですので、最初のうちは一通り勉強して、2通り目、3通り目に理解を深めていくというパターンの人に向いていますね。一通り勉強した後に、マセマ統計、という流れが良いのではないでしょうか。
 モデル推定・モデル選択も扱いますので170ページの本にしては、密度の高い本だと思います。

1 事象と確率
2 確率変数と確率分布
3 統計量と確率変数
4 推定
5 検定
6 モデル推定とモデル選択

素晴らしく実力がつくと評判の統計学 キャンパス・ゼミ

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 確率・統計学を勉強し始めた頃は、色々と参考書を読んでも、一番基礎となる確率変数と確率分布の話がちゃんと理解できず苦労した覚えがあります。しかしこの参考書に出会って、やっと最初の壁を超えた、という気がしました。
 マセマシリーズは「単位なんて楽に取れる!」と表紙に書いてあり、手っ取り早く試験で点数さえ取れれば良い、という印象を持たれがちかも知れませんが、マセマ統計学については非常にしっかり書いてありますし、レベルも低くありません。確率・統計学の入門と位置づけられている参考書では各分布の導出を省略しているケースがほとんどですが、この本では正規分布はもちろんのこと、t分布、カイ二乗分布、F分布の証明なども出てきます。中心極限定理もしっかりとページ数を割いています。一度証明しておくと、納得感も出てきます。
 突然チャレンジすると少し重いかもしれませんので、確率・統計学の入門的な参考書を1冊(例えばキーポイントシリーズ)通してから、この本に挑戦するのが良いと思います。時間に余裕がある場合、この本のあとにマセマの演習版も行うと、さらに理解が深まります。
 内容をまとめます。第1章〜第5章は確率編として、離散型確率分布、連続型確率分布、2変数の確率分布、ポアソン分布、正規分布中心極限定理カイ二乗分布、t分布、F分布を学びます。第6章〜第8章は統計編として記述統計、推定、検定を学びます。確率編の理解が不十分の時は、無理をして統計編に進むより、何度も学習して理解を深めることを優先すべきです。確率分布の考え方がしっかり身についていれば、推定・検定はすっと入ってきますので焦ることはありません。

スバラシク実力がつくと評判の演習統計学 キャンパス・ゼミ

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 確率・統計学のお勧めの参考書としてマセマ統計学を以前紹介しましたが、こちらのマセマ演習本もやはりお勧めです。マセマ本と比べて、構成は同じですが、少しレベルが上がるので無理なくレベルアップできます。確率変数、確率分布の理解をさらに深めていきましょう。モーメント母関数の説明やそれを用いた証明問題がわかりやすい気がします。チェビシェフの不等式やスターリングの公式など、発展的な内容でも登場するようなものについてもしっかりと学んでおきましょう。計算がハードな問題が多いです。微分積分の知識が必要になりますので、微分積分の勉強後が良いかもしれません。

第1章 離散型確率分布
第2章 連続型確率分布
第3章 2変数の確率分布
第4章 ポアソン分布と正規分布
第5章 カイ二乗分布、t分布、F分布
第6章 データの整理(記述統計)
第7章 推定
第8章 検定

キーポイント 確率・統計

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 私が初めて確率を勉強した時に、この参考書を使いましたが、あまり理解できず挫折しましたので、1冊目には向いていないかもしれません。やはりキーポイントシリーズでは線形代数がおすすめで、確率・統計と微分積分は時間に余裕があればやる、というスタンスが良いのではないでしょうか…。

ポイント1 確率・統計をなぜ勉強するのか
ポイント2 確率変数と確率分布
ポイント3 2項分布は「確率論」の始め
ポイント4 まれな現象はポアソン分布
ポイント5 正規分布はなぜ重要か
ポイント6 データ処理と標本分布
ポイント7 検定・推定の実際
ポイント8 確率過程とシミュレーション

演習 確率統計

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 ここからは余裕のある人に向けたお勧め参考書です。こちらは昭和51年の本ですね。確率統計の大学教養レベルを一通り学びます。分散分析や抜取検査の話も最後に登場します。確率統計の場合はマセマ本でかなりのところまでカバーされているのでまずはそちらを固めることをおすすめしますが、その上でこの本をやる意味としては、分布の再生性などの証明、周辺分布・推定・最尤法の練習で手をたくさん動かし、理解を深めることだと思います。

資料の整理 例題数5
確率 例題数13
確率変数 例題数10
分布関数 例題数16
標本分布 例題数8
推定 例題数8
検定 例題数8

演習基本 確率統計

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 こちらは1990年の本のようですね。こちらも時間に余裕のある人向けのお勧め本です。基本的には演習確率統計と同じ構成、同じレベルですが、データの処理(代表値、散布度、相関)、分散分析や適合度検定に対してページが多く割かれています。
 畳み込みの問題も幾つか登場しますね。私は確率分布の和の確率分布の問題がなかなか理解できずにいましたが、マセマの説明に戻りつつ解いていたら理解できました。

1.データの処理
2.確率変数
3.重要な確率分布
4.推定
5.検定
6.分散分析(実験計画法)